近年人気のアートメイクは、すっぴんにも自信が持てると話題の美容施術です。
アートメイクができるクリニックも増えており、手軽に受けられる施術になっていますが、施術によっては、後遺症が出てしまうというリスクもあるのが事実です。
アートメイク施術時の注意点や施術後のアフターケアについてご紹介します。
Contents
アートメイクとは?
アートメイクとは、皮膚の浅い部分に色素を注入して着色する医療行為です。
アートメイクによる色素は肌のターンオーバーによって徐々に薄まるため、持続期間は個人差がありますが約1〜3年です。
皮膚に直接着色するため、摩擦や汗などによって落ちることがないことから、メイクの時短やコンプレックスの解消に効果的で、近年人気の施術です。
アートメイクは表皮に着色する医療行為である
アートメイクは、メイクの手間を省けたりコンプレックスを解消することができたりといったメリットがある一方、直接皮膚に針を差して行う「医療行為」であるため、施術箇所が炎症を起こす、感染症を引き起こす可能性があるなどといったデメリットもあります。
アートメイクをしたら後遺症はでるの?
アートメイクをすることによって、炎症や傷跡がのこるなどといった後遺症が出る可能性があります。
しかし、その原因は、免許を持たない人の施術を受けたことによるものです。
本来アートメイクは医療行為であるため、医師免許や看護師免許を持っている人が施術を行わなければいけないものですが、免許を持たない人が施術を行っている違法クリニックが存在するのも事実です。
実際にサロンや個人宅での施術ではトラブルが多く報告されています。
施術した場所 | 件数 |
---|---|
アートメイクの施術を提供しているサロン等 | 46件 |
エステサロン | 33件 |
個人宅 | 12件 |
美容院 | 8件 |
医療機関 | 5件 |
記載なし | 17件 |
計 | 121件 |
出典:https://www.pref.ehime.jp/nan54125/uwajima-hcn/eisei_seikatu/documents/n-20111027_1.pdf
アートメイクの後遺症の症状
アートメイクの後遺症として代表的なものは皮膚障害です。
施術箇所の赤みや腫れが引かない、化膿してしまったといった症状が多くあります。
刺傷、切傷、感覚機能の低下、熱傷(やけど)、擦過傷、挫 傷、打撲傷、内出血といった症状が起こる可能性もあります。
また、アイラインのアートメイクの施術の場合の後遺症としては角膜損傷も挙げられます。
もちろん、クリニックでの施術であれば、そういった後遺症が残るケースは本当に稀で、基本的にはダウンタイムと呼ばれる期間中に、症状は落ち着きます。
仮に後遺症が残るような症状が出た場合でも、早急に医師に相談することで、悪化を防ぐことができます。
異常が見られても、医師がいるので、安心なのです。
後遺症がではじめるのはいつ?
アートメイクの後遺症が出やすいのは、特に皮膚がデリケートな状態になっているダウンタイム中です。
この時の皮膚は針の傷によって非常に不安定な状態になっているため、感染症のリスクもあると言えます。
ダウンタイムである1週間は注意が必要
個人差はありますが、ダウンタイムといっても、技術力の高い施術者の元でアートメイクをすれば目立つような傷にはならずに済むのが一般的です。
ただし、皮膚の弱い方は施術直後に赤みや腫れが出やすい傾向があります。
アートメイクをした後、ダウンタイムの1週間は下記のポイントに注意をして過ごしましょう。
代謝が上がる行為をしない
ダウンタイム中は、皮膚に色素を定着させるために大切な期間となります。
アートメイクの色素は肌のターンオーバーによって徐々に排出されていくものなので、代謝を上げるような激しい運動やサウナ、岩盤浴、長時間の入浴といった行為は避けましょう。
また、ピーリングなどの肌のターンオーバーを促進するようなスキンケアも控えることが大切です。
清潔にする
アートメイクの施術箇所は常に清潔に保つようにしましょう。
不衛生な状態になると、傷口から細菌が入り込んで感染症を引き起こす可能性があります。
保湿する
アートメイク施術箇所は乾燥しやすくなっており、乾燥による皮膚の赤みや痒みが起こりやすくなっています。
アートメイクを受けたクリニックで処方された軟膏やワセリンを塗布し、傷口を乾燥させないようにしましょう。
紫外線を避ける
紫外線による日焼けは、アートメイクの色素の変色に繋がるリスクがあります。
体内に蓄積している紫外線からも影響を受けるため、紫外線対策はアートメイクの施術を受けた直後からではなく、アートメイクを受ける2週間ほど前から行っておくことをおすすめします。
日焼けは肌のターンオーバーを促進し、アートメイクの色素を排出しやすくしてしまう可能性もあるため、十分に注意しましょう。
触らない
アートメイクのダウンタイム中は、施術箇所になるべく触れないように心がけましょう。
痒みが出ている場合は、直接指で触るのではなく、清潔な綿棒などを使って押さえると細菌が入り込むリスクを防ぐことができます。
軟膏やワセリンを塗布する際も、指ではなく綿棒などを使いましょう。
数日経過すると傷口がかさぶたになりますが、色素の定着が弱くなる可能性もあるため、かさぶたは決してはがさずに、とにかく触らないようにすることが大切です。
赤み・腫れを冷やす
アートメイクの施術箇所に赤みや腫れが出ていて気になる場合は、清潔なタオルを保冷剤などに巻いて冷やすようにしましょう。
冷やすだけでも赤みや腫れを引かせる効果があります。
アートメイクの後遺症をださない為には?
アートメイクの後遺症を出さないためには、施術後のダウンタイム中の過ごし方に注意することが大切です。
アフターケアはアートメイクの仕上がりや持続期間に影響するため、しっかり行うようにしましょう。
アフターケアをしっかり行う
アートメイクのダウンタイム中は、日常生活において気を付けるポイントがあります。
アートメイクで注入した色素が抜けてしまうため、代謝が上がるような行動や肌に刺激を与える行動は避けましょう。
入浴に注意
湯舟に浸かると体が温まり、汗をかきやすくなります。
アートメイクの色素が定着する前に汗をかくと色素が落ちてしまう可能性があるため、アートメイクの施術から少なくとも1週間ほどは湯舟に浸からずシャワーで済ませましょう。
また、アートメイクの施術を受けた当日は、施術箇所にシャワーがかからないように注意する必要があります。
洗顔に注意
洗顔料やクレンジングには顔に付着した汚れを落とす成分が含まれています。
アートメイクが定着していない状態で洗顔やクレンジングをしてしまうと、色素が抜けてしまう可能性があるため、施術から数日は水のみの洗顔を行うようにしましょう。
施術当日の洗顔は、入浴時と同様施術箇所が濡れないように行う必要があります。
スキンケアやメイクに注意
アートメイクが定着するまでは、施術箇所になるべく刺激を与えないよう心がけましょう。
スキンケアやメイクは施術当日は避け、翌日からはスキンケアやメイクをしても問題はありませんが、患部に直接触れないことが大切です。
特に、アイラインのアートメイクをした後のアイメイクやまつげエクステ、まつげパーマ、アイプチなどまぶたに負担のかかる行為は避けましょう。
MRIに注意
アートメイクの染料には、微量ですが金属が含まれていることがあります。
MRIを受けることでアートメイクの金属が反応し、火傷の原因になることがあるため注意が必要です。
MRIを受ける場合は、必ず事前に医師にアートメイクをしていることを伝えましょう。
アートメイクができない人もいるので注意
近年人気が増しているアートメイクですが、体質や状況によってはアートメイクの施術を受けられない場合があります。
クリニックに行ってからがっかりすることがないように、事前に自分が施術を受けられるかどうかチェックしておきましょう。
妊娠・授乳中の人
妊娠中や授乳中はホルモンバランスが大きく変わり、肌が敏感になったり炎症が起こりやすくなったりする傾向があります。
アートメイクの後遺症が出るリスクが高く、さらに施術後に処方する薬が使えないといった可能性もあるため、妊娠中や授乳中はアートメイクをお断りしているクリニックが多いのが現状です。
皮膚疾患・重度のアトピー症状が出ている人
アートメイクは皮膚に針を刺して色素を注入する施術であるため、皮膚疾患や重度のアトピーの症状が出ている方はアートメイクの施術を受けることができません。
金属アレルギーの人
先述のように、アートメイクの色素には微量の金属が含まれていることがあります。
金属アレルギーの人が全員アートメイクの施術を受けられないというわけではありませんが、体調やアレルギーの度合い次第では炎症が起きてしまう可能性もあります。
施術前に金属アレルギーのパッチテストを受けることもできるため、カウンセリングの時に伝えるようにしましょう。
18歳未満の未成年の人
18歳未満の人でもアートメイクを受けること自体に問題がありませんが、18歳未満の未成年がアートメイクを受ける場合は保護者の同意が必要です。
血液疾患や内科疾患のある人
持病により血液をサラサラにする薬を飲んでいる場合は、アートメイクの施術時の出血が止まりづらくなり危険が伴うため、施術ができないことがあります。
また、ダウンタイム時に処方される薬と、普段飲んでいる薬の飲み合わせも考慮する必要があります。
ペースメーカーが入っている人や糖尿病により透析を受けている人の場合も、施術中に万が一があった場合のリスクが高まるため、施術を受けられない可能性があります。
まとめ
アートメイクはメイクの時短やコンプレックス解消に有効な医療行為です。
アートメイクは、表皮に針を刺して皮膚の浅い部分に色素を注入する医療行為なので、皮膚の炎症や傷などの後遺症が出ることがあります。
特に施術直後のダウンタイムの1週間は注意が必要で、アートメイクの後遺症を出さないためにも、代謝が上がって汗をかくような行為や肌に刺激を与えるような行為は避ける必要があります。
また、妊娠中や授乳中の人、皮膚疾患やアレルギーのある人、持病のある人はアートメイクができないという可能性もあるため、心配な場合は事前にクリニックでのカウンセリング時に相談しましょう。